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毒舌歯科医の診療室
診療時間の多くを会話に割いてもまだ話足りない男(毒舌らしい)のひとりごと。

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技工士さんについて

今回問題となった技工士さんのお話について。

私が大学に在籍していた頃は、患者さんの技工物をつくるためほぼ毎晩1時、2時まで残っていました。遅いときには、朝までかかりシャワーを浴びに帰っただけで、戻って診療をしたこともあります。私の手が他の先生よりも器用ではなかったからだ、と言われればその通りかもしれません。
毎日、夜遅くなってくると一人二人と他の先生が帰って行きます。午後11時位までは約半分、12時の終電近くなると5人いるかどうか、この頃から他の先生との駆け引きが始まります。一番最後になると、戸締まり(ガス、電気、鍵)をしていかなければなりません。技工室と医局、帰るのがさらに15分は遅くなってしまいます。

一番悲惨だった時のこと
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前の見えない吹雪の中、私は約30分歩いてやっと家の近くまで来た。
頭の中には日本むかし話のエンディングテーマが

♪・・ほかほかお風呂,暖かい布団で眠るんだろな。
僕も帰ろ、お家へ帰ろ、でん、でん、でんぐりかえってばい、ばい、ばい。・・・♪

時は午前3時半、まだ寝れる。4時間はいける。布団が俺を待ってるぜ。

そしてたどり着いた下宿の玄関。わたしはおもむろにポケットに手を入れる。


な、な、なんじゃこりゃぁー。


ポケットには、つい先ほど使用したばかりの鍵束。
そうです。大学の鍵を持って来てしまったのです。

どうする?
明日(既に今日)、早く行って部屋をあけるか・・・
起きれなかったら大変なことになるのに加え、一番早い先生は7時、そんなに早くは行けない。

戻る、しか・・ない・・か。
そんな2度目の帰り道の途中であまりのつらさに、


死ぬかもしれん


と思ったのでした。
今では笑い話です。
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しかしそんな駆け引きもむなしく残りの1人になると逆に急ごうとは思わなくなります。

ただ、そのうち広い空間に1人ではちょっと寂しくなってきますので仲間を捜しに隣の技工士室(技工士さんの技工室)をのぞきます。すると大抵1人は技工士さん(いつも同じ方です)が残っていらっしゃるので、そこで話に花が咲きさらに帰りが遅くなったりしたものです。私の方はほんの数年でしたが、技工士さんは数十年とこういった夜遅くなる生活をしていたわけです。

この技工士さんも不器用だからだ、という考え方をする方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろんそうではないと思います。早く帰れる技工士さんとの違い、それは自分の仕事に対するこだわりではないかと考えます。精度を上げる、すなわち誤差の値を小さくするのはとても困難なことで、例えば0.1mmの誤差を0.05mm(半分にする)にするためにかかる時間と費用は倍ではありません。時には10倍以上もかかってしまうことだってあります。

作業の待ち時間なども技工士室に顔を出したりしていましたが、ほとんど休憩をしている姿を拝見したことがありません。ただ私が顔を出すとそこから長話になってしまったりして,邪魔をしてしまったかなという気はします。

そんな長話の中で良く聞いたのが技工士さんの境遇なのです。
大学内は関係ありませんが,「一般の技工士さんは常に歯科医師からもっと安くしろと言われて夜も眠れない位働かされている。技工士は一致団結してストライキをしなければだめだ」ということを口をすっぱくしておっしゃっていました。

正直な所私が見ても、技工士さんの料金はかなり安くなっております。以前と繰り返しになりますが,同じ料金で私は技工をしたいとは思いません。さまざまな物価が変わっても歯科の治療費が10年前の水準と変わらないのは、10年前の技工料金で技工士さんががんばってくれているという前提があって、初めて成り立っているのでしょう。

歯科治療は歯科医師だけではできません。技工士さん、歯科衛生士(歯科助手)さんと良いチームワークをもって初めて、しっかりとした治療が提供できるようになります。
技工士、歯科衛生士という職業を魅力ある物にしていく責任が歯科医師にはあると思い、今回の様なお話をしたわけです。
若干、批判のコメントの内容が関係者(技工士さん?)っぽい感じがしたので、己の文章力の無さとはいえ大変残念に思った次第です。

では、魅力あるものにするにはどうしたらよいのか?
反対するばかりで、対案を出さないのは論外なので簡単に。
仕事にはそれに見合った対価が必要です。だからといって保険の治療費はいじれないとしたらどうするか?

まず、保険診療における技工料をどの位と国が想定しているかということです。
仮に前歯で5000円としましょう。
次に、以下の技工所があるとします。
あああ技工所(3000円)・・・早い、安いが売り(差額-2000円)
いいい技工所(5500円)・・・どれもそこそこ(差額+500円)
ううう技工所(8000円)・・・かんぺきな仕上がり(差額+3000円)

診療室で患者さんに選んでいただきます。
「あああ技工所」なら差額なし。保険請求そのまま。(安く押さえた分は歯科医師が利益を得る。これはほぼ現状どおり。)
「いいい技工所」なら+500円、「ううう技工所」なら+3000円の差額を患者さんにそのまま負担してもらうのです。(差額分の領収書は技工所から発行)

今や野菜や肉などは産地だけにとどまらず、生産農家までもお店で調べられる様になって来ております。それは、値段だけではなく安全でおいしい物を皆さんが食べたいと考えているからでしょう。

保険を使って、出来るだけ綺麗にしたい、もっと良く咬めるようにしたい。そのために提携している技工所で歯科医院を選ぶ。そんな選択肢が患者さんに与えられても良いのではないでしょうか?
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今一度このブログについて

今までは批判的なコメントがなかったこともあり、仮に届いても大したショックは受けないだろうと思っておりましたが・・・

ものすごく落ち込んでしまいました。

コメントにもありました様に、「賢く」という部分が確かに上から物を言っている様にも取れますので、私の本意ではないとはいえ不快な思いをされた方に対し御詫び申し上げます。

以前にもお話ししたかもしれませんが、私の理想としているのは全ての方が対等の立場(歯科医師、衛生士、技工士、助手=患者)です。当然と言えばその通りですが、昔の(歯)医者と言えば威張るというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?現在では歯科の経営セミナーも盛んに行われており、そこでは患者様=お客様、すなわち歯医者が下という流れが急速に進んでおります。

ではなぜ対等が良いと考えるのか?別に人に頭を下げたりすることが嫌いというわけではありません。

それは私がまだ大学に在籍していたときのこと、患者さんからの投書コーナーで「待合室から呼ばれた時に○○様と呼ばれたが、私はお客さんではないのでこの呼び方はおかしい。」という内容のものがありました。このころから、(歯)医者には絶妙なバランス間隔が必要であると思う様になりました。

それは、
医療の専門家として、患者さんにより有益である治療法を選んでもらえるような威厳を保つこと(やや医者側が上に立つイメージ)
患者さんが、疑問や不満、あるいは不安、要望などを訴えやすい環境であること(やや患者さんが上に立つイメージ)
が必要であると考えるからです。

接客業では、お客さんの意向を否定することは難しい(してはいけない?)と思いますが、私たちは患者さんの望む治療法が良い選択肢ではないと判断した時、そのことをはっきりと伝えなくてはならないと考えます。

もちろんインフォームドコンセントという言葉がある様に、治療には患者さんの同意が必要ですので理解し納得していただく必要があります。明らかに患者さんに不利益なことである場合、治療を拒否することも必要なのかもしれません。患者さんの顔色を伺いながら診療する、すなわち自らの能力の無さを患者さんに媚びることでカバーすることだけはしたくないのです。

皆さんはどのようにお考えでしょうか?
話は次回に続きます。

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Author:katsuhisa.y
12月20日に開業いたしました。
年明けから本格的に始めます。

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